2021年度の合計特殊出生率(※)は1.3%と過去最低となり、少子高齢化に伴う年金制度への不安が高まっています。

出所:厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」

将来自分が受け取る年金について、不安や疑問を感じる人もいるでしょう。

※その年の15歳~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの

この記事では、「厚生年金や国民年金」の年金相談で多い内容について解説します。

不安や疑問に対してわかりやすく解説しますので、老後対策に役立てて下さい。

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1. 年金の受給額に関する相談

年金相談の中で一番多いのは、年金の受給額に関することです。

主な相談内容を紹介します。

1.1 相談1「厚生年金や国民年金はいくらもらえますか?」

老齢年金には、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類があります。

年金額の計算方法は日本年金機構のホームページやパンフレットに記載されていますが、自分で計算するのは難しいため、次の方法で確認しましょう。

  • 日本年金機構から毎年送付される「ねんきん定期便」で確認する
  • 年金事務所に行って相談する
  • 「ねんきんネット」で試算する

ただし、50歳未満の人がねんきん定期便や年金事務所で確認できる年金の見込額は、これまでの年金加入状況を基に計算しているため、今後の加入状況は反映されていません。

ねんきんネットなら、現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定して見込額を自動的に計算してくれるだけでなく、自分自身で詳細な条件を設定して試算できます。

1.2 相談2「年金を繰下げすると年金額はいくら増えますか?」

年金の「繰下げ」とは、通常65歳から受け取る老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方または一方の受給開始時期を遅らせる代わりに、年金額を増やす方法です。

繰下げ受給の開始時期は、66歳から75歳から選ぶことができ、1か月繰り下げするごとに年金額は0.7%ずつ増額します。

65歳で受け取る年金額を200万円とすると、受給開始時期を70歳にした場合の年金額は次の通りです。

  • 70歳からの年金額=200万円×0.7%×60か月=284万円

70歳受給開始にすると65歳から5年間は年金を受け取れない代わりに、70歳以降の年金額は42%増えます。