問題はインターホンと壁面の隙間を埋めている「シーリング」

@ya_maru_denkiさんによるとこのインターホンは実際には2度と外せないわけではないそうですが、厄介なのはインターホンと壁面の隙間を埋めているシーリング。

仮にこのインターホンを修理や交換をする場合はどうなるのか伺うと、「今回のケースでは、シールをカッターで切ってインターホン子機を取り出すしかありません。 新品に交換する事は可能ですが、電気工事と同時に目地シーリング業者(防水工事業者)を呼ばないと復旧出来ないので、費用が高額になります」と教えてくれました。

本来電気工事だけで済むはずが、シーリング業者も呼ぶことになってしまうんですね。

そもそも一度設置したインターホンを外す必要はどれほどの頻度であるものなのでしょうか?

@ya_maru_denkiさんに聞いてみると、「インターホンの故障については、設置状況により異なりますが、メーカー推奨は10〜15年となっております。玄関扉の横に設置されていて、且つ軒下であり、直射日光や雨風に晒されない場所にあるなら長持ちしますが、その逆だと短い年数で劣化してしまいます」とのこと。

早ければ10年ほどで交換が必要なのにもかかわらず、交換には大がかりな工事が必要とは困りますね…。

美的要求を汲み入れる意匠設計が悪いわけではない

大きな話題を呼んだ「2度とカバーを外せないインターホン」。X上では現場で働く職人たちからの多くの共感を集めて盛り上がりました。

取材の最後、投稿主の@ya_maru_denkiさんはデザイン重視の設計指示について、「私は意匠設計自体を批判するつもりはありません。中には感動するくらい美しい仕上がりのものもありますし、全部を否定するつもりは無いのですが、お客様は長く設備を利用されていく事になりますので、機能性をもう少し考慮して頂けるとお客様にもっと喜んで頂けるのではないかと思っています」とも話してくれました。

いかがでしょうか。今回は、Xで話題になっている「2度と外せないインターホン」を紹介しました。デザインを重視するのか、機能性を重視するのか、悩ましい問題のようですね。

参考資料

小野田 裕太