5. 所得の100パーセントが「公的年金」のシニアの割合は?

受給状況をみても、現代では「還暦を過ぎたら年金だけで暮らす」という老後生活をしている人のほうが少ないのかもしれません。

厚生労働省が公表した「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%年金だけで生活している人は、全体の44%と半数にも満たない結果となっています。

半数以上の高齢者世帯は年金だけでは生活できず、貯蓄を切り崩したり、就労したりして生活費を補填しているのがうかがえます。

老後生活が漠然としている中では、具体的な年金受給額や生活費のイメージが付きにくいものですが、実際は年金以外の貯蓄や収入源が必要となってきます。

6. 老後資金対策は早めにしっかり考えよう

シニア世代の公的年金受給額について確認して、将来的に「年金収入だけで生活していくのは厳しい」と不安に思われた方も少なくないかもしれません。

今後、年金支給額が増減する可能性もあります。早い時期から老後資金について対策を立てておくことが大切です。

その方法として、多少のリスクはありますが資産形成も挙げられます。まずは国から用意されている税制優遇制度である「新NISA」や「iDeCo」などの情報をチェックしてみてください。

参考資料

荒井 麻友子