老後にお金は、いくら必要?

そもそも老後資金はどのくらい必要なのでしょうか。2019年、金融庁の「老後生活に2000万円不足する」という報告が注目を集めました。

この「老後2000万円問題」をきっかけに、2000万円という金額が老後資金の目安としてとりあげられるようにもなりましたが……。

「老後2000万円問題」をふりかえる

ちなみにこれは、2017年の家計調査の結果をもとにした、モデルケース世帯のひと月の収支を前提とした試算です。

介護費用が全く含まれていない点や、住居費が持家前提として1万円台に設定されているなどの盲点もあり、個々の家計状況と乖離する部分が多いでしょう。

要介護度が上がり、老人ホームなどへの入居を考えた場合、ひとり1000万円、ないしは2000万円以上が必要となるケースも珍しくありません。

あくまでも「2000万円は必要最低限の日常生活費の目安」と捉え、世帯の応じた資金対策をしていく必要があるでしょう。

いずれにせよ、老後の必要資金は一朝一夕で用意できる金額ではありません。

もちろんリタイヤまでの年数・収入は人それぞれです。とはいえ、定年退職金がないことが分かっている場合は、少しでも早い段階で、日ごろの貯蓄とは「別枠」で準備をスタートできると理想的ですね。